小売業ビジネス用語ガイド 
営業・効率指標ガイド
1. 売上高至上主義
 売上高を増やすことが、あらゆる政策決定と各自の行動の根拠とされる思考方法や慣習の事。
 小売業での支配的な悪しき習慣であり、悪しき価値観の最たるものである。これを否定しない限り
 収益性、労働生産性を高める努力など決して実ることはない。あらゆる売上高拡大策は、それらを
 悪化させる効果はあっても、改善させることはない。売上高は店舗数の増加で自然と増えるもの
 として、営業管理指標は、収益性と労働生産性を最も重視する必要がある。

2. 分配率管理
 組織が高収益体質を築く上で必要な技術である。粗利益のうちどの位を各種経費に使用しているか
 という尺度。粗利益の20%を利益に当て(利潤分配率)、残りの80%を経費の大半を占める
 人件費(労働分配率)と、不動産・設備費と、販促費とその他とに分けて予算を組み、それを
 実際にコントロールしていく。前年比を基準に予算を立てるものではない。

3. 商品回転率
 この数値が高いほど良いとされてきたが、それは繁盛店の指導する立場の者の言い分を鵜呑みに
 しただけである。チェーンストアでは、商品回転率を高めすぎると繁盛店になり、出店しにくく
 なる。店舗では、作業人時が増加し、労働生産性が悪化する。また、逆に商品回転率が低すぎても
 死筋が増え、お客様に不便な魅力のない売場になり、手持ちの現金が減ってしまう。
 基準となる在庫水準を見極め、適切な商品回転率を維持することが大切である。

4. 人時生産性・労働生産性
 粗利益を、作業人時数または、従業員人数でそれぞれ割った数値である。この数値が低いと
 労働法令違反(サービス残業等)が増えるほか、組織の成長対策が止まってしまう。
 これらがしっかりと確保出来なければ教育研修予算も機会を与えることもできないからである。
 この生産性を向上させる事が重要であり、低い水準のままであれば、組織の存在意義が問われる。

5. 回転差資金
 商品を販売し現金を回収する期間が短く、その商品を仕入れるための支払期間が長い場合に
 得られる余裕資金の事。売上と支払との差で生じる営業キャッシュフロー。回転差資金を増やす
 努力は、少ない資本を元手に成長を果たすためには最重事項となる。